どうも、サンモトです。
今回は個人的に気になっていた食材、ひよこ豆(ガルバンゾー)を購入したので色々試してみました。
↑乾燥した状態のひよこ豆なので、長時間水に浸けて戻してから使用します。
私が一番気になっていたことは、ひよこ豆(の豆乳)で豆腐を作る際にはにがりはいらない、という話です。
私は以前に書いた『自家製豆腐の検証』記事で、実際に何回か豆腐を作ってみたことがあります。
なので、普通の豆腐作りに必要なにがりの重要性は実感しています。
豆腐に使うにがりの分量は少ないと上手く固まらないし、多すぎても苦くなってしまう、とても扱いが面倒くさい難しいものです。
「にがりを使わずに済むなら、その方が楽じゃん」
という安易な思惑と、純粋に何でそうなるのかが気になったので検証してみることにしました。
そんなわけで、ひよこ豆を使って豆腐作りをしてみました。
同じような疑問を持った人(いるかどうかはわかりませんが)の参考になれば幸いです。
ひよこ豆とは?
ひよこ豆は中東やインドなどでよく食べられている豆です。
乾燥した気候を好むので、湿度の多い気候では育て難いため日本での生産はされていないようです。
最近は乾燥させた物や加工品を缶詰にした物が海外から輸入されているので、日本でもスープやサラダに入れて食べられる機会が増えました。
↑乾燥した状態のひよこ豆。くちばしのような突起があり、確かにヒヨコのように見えなくもありません。
英名ではchickpea(チックピー)、スペイン語ではgarbanzo(ガルバンゾ)、エジプト豆、チャナ豆などとも呼ばれています。
茹でた時の食感が栗に似ていることから、日本では栗豆とも呼ばれているようです。
私も茹でたひよこ豆を食べてみましたが、パサパサとして少し身が固く、確かに栗に似た食感でした。
火を通すとパサパサした感じが強くなるので、個人的には炒めものには向いていないと思います。
個人的にはじっくり煮込んで柔らかくするか、ペースト状に潰して食べるのがオススメです。
ひよこ豆(の豆乳)がにがりを使わずに固まる理由
なぜ大豆で作る豆腐にはにがりが必要で、ひよこ豆で作る場合は必要ないのでしょうか?
重要なポイントは、大豆とひよこ豆に含まれる成分の違いです。
私がざっと調べてみた限り、両者の違いの中で
- 大豆はタンパク質が多い
- ひよこ豆は炭水化物(デンプン)が多い
という部分が大きく関係しているようです。
一般的な大豆(の豆乳)を使う豆腐の場合、大豆に含まれるタンパク質をにがりの力で凝固させます。
一方ひよこ豆(の豆乳)はデンプンの力で凝固させます。
デンプン、つまり片栗粉をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
水に溶いた片栗粉(デンプン)は加熱するとゲル状に変化(糊化)し、冷めると固まります(老化)。
ひよこ豆(の豆乳)もこの作用で固まるため、にがりが必要ないのだと思います。
ひよこ豆の豆腐の作り方は、葛餅や胡麻豆腐に近いようです。
実際に作ってみる
さて、にがりを使わず固まる理屈は何となくわかりました。
問題は『これが簡単に作れるものなのか?』、というのが私が一番気になっている部分です。
ひよこ豆を使って豆腐を作った他の人の情報を参考にして、私も実際に作ってみました。
まずは乾燥状態のひよこ豆を水で戻していきます。
水で表面を軽く洗い流してから、鍋の中に水と一緒に入れます。
※乾燥している豆が吸い取る分を考えて、浸ける水の量は多めにしておくと良いです。
豆を水に浸けておく時間は8~12時間(出来れば一日程度)は必要だと思います。
指で簡単に割れるぐらいまで柔らかくなったら、ザルなどを使って豆と水を分離させます。
↑ひよこ豆を浸けていた水が茶色く濁っています。
この水には豆の成分も溶けだしているらしいので、豆腐を作る時はこの水ごと使うと良いようです。
豆と水を分離できたら、ミキサーなどで豆を細かく砕いて絞りやすいようにします。
水に戻した後の豆の重さを量って、500gをミキサーで細かく砕きました。
豆を細かくできたら、鍋の上に晒し布を敷いたザルを置いて流し込みます。
これだと絞れる豆乳の量が少ないと思ったので、分離させておいた戻し水も流し込みながら手で絞ります。
※手で絞るので痒くなったり、生豆の臭いが手に付いたりするのでゴム手袋をした方が良いです。
何とか絞り終わり、豆乳とおからに分けることができました。
※おからは生の状態だと足が早いので、保存する際は炒って水分を飛ばしておくのがオススメです。
それでは絞ったひよこ豆の豆乳を温めていきます。
↑スプーンで底の方をかき混ぜてみると、デンプン質の塊が引っ付いてきました。
大豆の豆乳ではこうはならないので、やはりひよこ豆はデンプンが多い豆なのだと思います。
弱火~中火で豆乳を温めていくと、少し青臭かった香りが変化していき、なぜか溶けた餅のような匂いになりました。
豆乳自体もトロミが出てきましたが、水を多く入れ過ぎたせいか粘りはさほど強くなかったです。
「(これで本当に固まるのかなぁ・・・・・・?)」
と思いながら、適当な型枠に流し込んで粗熱が取れるのを待ちます。
粗熱が取れたら冷蔵庫の中に移して、固まるのを待ちます。
数時間冷蔵庫で冷やしてから取り出してみたところ、寄せ豆腐・おぼろ豆腐ぐらいのゆるさで固まっていました。
水分が多すぎたのか、豆の成分をしっかり絞り出せていなかったのか、想像よりもゆるゆるな豆腐になってしまいましたが、一応は固まったと言えるでしょう。
味はクリーミーで、少し甘い香りがします(豆腐というよりは、やはり溶けた餅のような感じです)
醤油やポン酢などで食べても、ハチミツやシロップなどで食べても美味しいと思います。
個人的には甘い味噌などと一緒に食べてみるのもオススメです。
作ってみた感想
今回のひよこ豆で豆腐を作ってみた結果としては
- 手間がかかる
- 分量を見極めるのが難しい
というマイナスな感想が真っ先に思い浮かびました。
時間がある時なら良いですが、
「面倒くさいし、日常的に作ろうとは思えないな」
というのが私の正直な感想です。
特に豆を砕いて絞る工程が面倒なので、ひよこ豆はそのままの形で調理した方が楽だと思います。
ひよこ豆自体の味としては、微かに甘い香りと栗のような素朴な風味をしています。
甘く煮詰めて、煮豆などにすると美味しいと思います。
以上、ひよこ豆で豆腐を作って検証してみた結果でした。
おわり
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